二宮ひかる『ナイーヴ』 〜 Naive 〜
「ひとの話を聞く耳持つ人」この作品で一番印象に残ったのは主人公の田崎のセリフでもなく、ヒロインの麻衣子のセリフでもなく、脇役で麻衣子の同僚の林さんのセリフだった。人間と言うのは本当に自分が聞きたい所だけ聞いて耳を塞いでしまうか、あるいは自分の都合の良いように脳内変換がされるか、殆どの場合がそうだと言うことをこの1年間で痛感してしまった。勿論仕事の上でもそういう事は山のようにあるのだけれど(日本人特有の「行間を読む」と言うヤツですね。契約書にしろ法律にしろ書かれていない、と言うのはそれなりに意味があり、書かれていない所を勝手に作ってはいけない。書かれていないと言うことは「無い」と言うことなのです。ハイ)先日も仲間内の仕事の話でちょいともめたことがあって、結局は事無きを得たのであるが、最後に話を終わらせる意味を込めて決定事項を復唱すると「あんたはさっきから同じことを言っている。ノイローゼではないのか。精神科にでも言ってきたらどうだ」決定事項の再確認なんだから同じことを言って当たり前なのだが、結局その話をきっかけに自分の都合の悪いことを振り出しに戻したいだけなんだと気がついたのは2度同じことをやられた後だったのだから、主宰者自身も耳が心に繋がっていなかったのかも知れない(と言っても相手方の主張をプロデューサーとして認める訳には行かなかったけれど)。
話が脇道にそれてしまった。『ナイーヴ』は二宮ひかる先生の出世作と言って良い作品だと思う。実際こんなサイトをやっていると『ナイーブ』より前からのファンの方と『ナイーブ』以降からのファンの方の両方の方から意見を頂くのだが、『ナイーヴ』以降にファンになられた方の方が圧倒的に多数である。理由は色々と考えられるのだけれど、ヒロインの麻衣子に振り回される田崎に感情移入しやすいと言う事と、この作品から妙に裸率が上がった事が主な原因と主宰者は思っている。面白いことに『ナイーヴ』より前からのファンの方は別に性描写が多かろうが少なかろうがあまり気にしないのだが、『ナイーヴ』以降にファンになった方は性描写を楽しみにしている方が多い気がする(飽くまで気がするだけかも知れない)。唯、それまで「連載は6話」と二宮ひかる先生ご自身が語っていたその限界を破ったと言う点はそれなりに意味があるし、先日コンビに廉価版が発売されるや否や書店の『ナイーヴ』だけが急に無くなった(書店の店員さんに聞くと他の作品には目もくれないそうなのでその点は残念なのだが)点を見ても発売から7年経った今でも十分に通用するテイストを持っている点は評価に値する。
白泉社ジェッツコミックス ISBN4-592-13301-3 ISBN4-592-13302-1 ISBN4-582-13303-X 1998年7月31日初版発行 〜 1999年7月5日初版発行 Copyright(C) Hikaru Ninomiya 二宮ひかる『ナイーヴ』第一巻、『ナイーヴ』第二巻、『ナイーヴ』第三巻
コミックス『ナイーヴ』の書影は白泉社様のご好意で掲載させて頂いています。白泉社様に深く感謝いたします。
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