田中芳樹『東京ナイトメア〜薬師寺涼子の怪奇事件簿〜』


毎回毎回泉田警部補は役得なのかはた迷惑なのか紙一重ですね。段々室町警視も「朱に交わって赤く」なってきた事ですし(^^;

今回の話は中々に派手だ。財務省の裏金は動くは黒魔術は出てくるは最後はギリシャ神話の怪獣は出てくるはでドラよけお涼はさぞ喜んだ事だろう。田中芳樹先生の『東京ナイトメア〜薬師寺涼子の怪奇事件簿〜』のレビューをお送りする。
前回のレビューで書いた通り、薬師寺涼子は顔よし、スタイルよし、脚線美よしの見た目だけなら完ぺきな美女。おまけに本庁刑事部参事官で階級は警視、東大法科を留年も浪人もせずに卒業したキャリア官僚である。今回その薬師寺涼子が挑むのは行政改革で財務省と名を変えた旧大蔵省である。財務省では賓客を迎える迎賓館を造る名目で巨費を投じて施設を造り、そのくせ財務省の一派で黒魔術を信奉する代議士の怪しげな研究に加担しているという設定である。
いつもの通り薬師寺涼子のおもり(?)で結婚式に付いてきた泉田警部補はドラよけお涼と共にとんでもない事件を目の当たりにする事になる。結婚式の真っ最中に空から体中の血を抜かれた死体が降ってきたのである。しかもその先には有翼人(怪獣である)の姿が。持ち前の好奇心とバイタリティーでいつものように我が侭勝手にこの事件の捜査を始めるお涼だが、いつもは反目しあっている室町警視から忠告がはいる。彼女は泉田警部補に「お涼が狙われている。気をつけて」と言うのだ。兎も角今回の件は警察内でも特殊な部門が絡んでおり、下手に動くのは得策ではないというのだ。しかしそんなことで引き下がるお涼ではない。件の施設で怪しげな研究が行われている事を確信したお涼は施設で行われるパーティーの招待券を裏ルートで手に入れて大暴れすることになる。
今回はギリシャ神話の怪物がわんさと出てきてその辺も面白いのだが、お涼と室町警視がシルクハットにえんび服、そして網タイツという格好で登場するシーンがあり、お涼は兎も角室町警視はかなりかわいそうである。その上お涼をその性格の悪さにも関わらず嫁さんにしたいという悪の親玉まで登場し、そいつをやり込めるお涼の姿は正に圧巻で、兎も角最後まで飽きずに読む事が出来る。前作同様イラストを担当する垣野内成美先生のイラストも美しく、スピード感があって読みやすい、胸の空くような小説がお子のみの方には強力にお勧めする。

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Posted: 金 - 3月 5, 2004 at 01:31 午前