田中ユタカ『愛人』第1.5話


今回は第1話と打って変わって大はしゃぎのアイですが…。

ある年齢層の子供、と言うのは不思議なもので近くにいるだけで元気になるし、その天真らんまんな行動とくるくる変わるその表情にはとても元気付けられるものだ。田中ユタカ先生の『愛人 [AI-REN]』第1.5話のレビューをお送りする。
この1.5話は「0.5話分」と言うだけあって短く、それでも第1話とは全く意味付けも違うし、かといって1話を構成するには短すぎるし、しかし省く訳に行かないエピソードだと思う。だから「1.5話」なのかな、と主催者は勝手に考えている。イクルの家にやって来たアイは本当に無邪気で、本当にいたずら盛りの子供の様だ。せっかくイクルが準備した料理は台なしにするわ、家中落書きだらけにするわ、注意すればふてるわでイクルは大弱りだ。役所に問い合わせても「そうの内何とかなります」(何だそりゃ)と言うすげない返事。終いには点滴を打つイクルに「ウソつき。ご馳走作ってくれるって言った」(台なしにしたのは自分だろうに(^^;)と言って点滴邪魔をしたりする。イクルはここでちょっとした心配をする「あんな子供みたいな子をこれからどうすれば…」しかしアイは先程の悪戯を謝り、やっとディナーとなる。イクルの作ったディナーに舌鼓を打つアイを見ていたイクルの目に涙が…。多分それはイクルがアイを家族として受け入れた瞬間だったのではないだろうか。
主催者の母親が闘病中に一度だけ嫁さん方の親戚の子供を連れていった事がある。主催者の兄妹で既婚なのは主催者だけで、勿論孫は一人も居ない。主催者が結婚して1年、そろそろ子供も考えるか、となった時に母の病気が発覚して子供を作るどころではなくなったからだが、血の繋がっていない親戚の子供でも、その天真らんまんな笑顔に母親が目を細めていたのを思い出す。子供とは本当に不思議な存在だと思う。だからこそ、アイとイクルの関係が成熟するまで、アイは子供である必要が会ったのではないかと思っている。

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田中ユタカ『愛人 [AI-REN]』(1) 白泉社ジェッツコミックス

上記の Comics の書影は白泉社様のご厚意で掲載させて頂いています。白泉社様に深く感謝いたします。

Posted: 水 - 10月 20, 2004 at 09:34 午後