二宮ひかる『いつわりの恋』後編


「あたしたち、ちゃんとリコンしようねえ?」

このセリフが本作のヒロインである真潮が懸賞をネタにしてなし崩し的に真太郎との仲を進展させたい(それが意識的にしろ無意識的にしろ)と思ったのではないか、と言う主宰者の最大の根拠となった台詞である。二宮ひかる先生の『いつわりの恋』後編のレビューをお送りする。
偽装結婚の新婚旅行先を直撃した真太郎の母親の抗議の電話にあたふたする真潮だが、真太郎は一気に言ってのける。「オレの選んだ女にぐだぐだと、文句付けるんじゃね〜〜!!」(この辺で「真太郎男前!!」と思ったのは主宰者だけかも知れない(^^;)その事がきっかけとなり、真潮と真太郎はお互いに少しずつだが自分の置かれた状況やその対応を話し始める。「黙って出てきちゃった。『結婚しま〜す』て置き手紙残して!」と言う真潮の台詞は主宰者は冗談めかしてはいるが、真潮の本心だったのではないかと思っている。いつも寄り添うように真太郎の部屋に通い、タダ酒を飲みながら真太郎を見つめ続けた真潮が初めて見せた本心なのだと。そしてモルディブを発つ最後の夜、真太郎と真潮はそれこそ"なし崩し"的に関係を持ち日本へと帰国する。
「あたしたち、ちゃんとリコンしようねえ?」と言う言葉は真潮が帰国して別れ際に言い残した言葉である。つまり真潮はちゃんとリコンする気はなかったのである(と主宰者は思っている)。勿論いたずら心もあったろうが、モルディブの旅行に応募した時、当選して真太郎をその旅行に誘った時、真潮は一歩一歩(意識的にしろ無意識的にしろ)、真太郎になし崩し的に自分を特別な存在として認知させようとしていたように思える。この前後編の作品は非常にテンポよく、コンパクトに纏まった作品で評判も良かったらしく、二宮ひかる先生の 4th Comics である『ふたりで朝まで』の表題作で再登場する事となる。二宮ひかる先生にとっても嬉しい誤算だったかも知れない。

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Posted: 月 - 2月 28, 2005 at 12:45 午前