おがきちか『エビアン・ワンダー』第一巻、第二巻


masamasa さんご推薦のおがきちか先生の作品第二段です。

当サイトの隠れ常連 masamasa さん推薦のおがきちか先生の『エビアン・ワンダー』のレビューをお送りする。以前ご紹介した『ハニー・クレイ・マイハニー』がゆるゆるとした日だまりのような印象を前面に押し出していたのに対して、こちらは少しシリアスなテイストを効かせている。(因みに本作は第二巻までで完結している)
悪魔と契約し、地獄の糧として悪人の魂をを地獄へ送る"銀符"であるフレデリカは弟のハウリィと共に旅をしながら極悪人を狩って行くのだが、"地獄の糧"として"悪人の魂を地獄へ送る"と言う発想が面白い。確かにスウェーデンの聖人スウェーデン・ボルグの著書『天界の秘義』によると、地獄を地獄たらしめているのは地獄にいる霊自身の雰囲気のような物のためである(要は"類は友を持って集まる"で悪い霊が集まった所が地獄になるらしい)との事なので、そう言われてみればそうかも知れない、と思い直したりもする。フレデリカは悪魔ペイシェントに"弟"のハウリィを作ってもらう代わりに銀符になったと言う経歴の持ち主で、非常に乱暴な印象を受けるが決して悪人には見えない。推薦者の masamasa さんによればおがきちか先生の作品のテーマは「愛」「生命の尊さ」「継承」 なのだそうであるが、確かにそういう印象を受ける。
その他にフレデリカの前任者であるエレクトラのエピソードなど非常に興味深く、前作の『ハニー・クレイ・マイハニー』と比較してメッセージ性が出てきているのも好印象である。ついでに「信仰にも愛にも縛られないそれを願ってやまない純粋な望み」を持つ人間を悪魔は選ぶ、と言う下りが興味深い。今後世界観の掘り下げなどが深くなれば更に読みごたえのある作品が期待できる。後日レビューするが、おがきちか先生は現在『Landreaall』と言う作品を連載中であり、今後の活躍が楽しみである。

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Posted: 金 - 12月 19, 2003 at 05:24 午後