二宮ひかる『最低!』第2話
「…でも、愛してるのよ…」
三兎を追うと決めた武内君(どうしても彼は呼び捨てに出来ないで
"君"
を付けてしまう。憎めないキャラクターの証拠か)に次々にチャンスが訪れる。「泣きっ面に蜂」の反対の言葉に「つきは相次ぐ」と言う言葉があるらしいのだが(この格言の出典の本を書いた方は台湾の出身なので台湾の格言かも知れない)正にそんな感じである。二宮ひかる先生の『最低!』第2話のレビューをお送りする。
「なんでもする」と言う白石さんの言葉にほだされたか、それとも本当に人としての義務を感じたのか武内君は幹子に白石さんと課長の件を言いふらさない方が良いと進言する。勿論幹子にそんな気は無いのだが、おふざけキャラの武内君はまたその本領を発揮して幹子を怒らせてしまい、しかもその現場を白石さんに目撃されてしまう。彼女は武内君に礼を言い、自分の心情を語り始める。技術の進歩は日進月歩だ。いや分進秒歩と言っても良いかも知れない。彼女はそんな過酷な環境につかれてしまっていた。開発と言う仕事に未練はあるものの、昇進して人を使う立場で開発がしたい。そんな事を言う。気持ちは判らないでもない。技術者の経験を持つ人は一度は感じた事があるだろう焦燥感、それを彼女も持っていたのだ。そんな彼女に転機が訪れる。武内と一緒に親しそうに話しているところを課長に目撃されるのだ。彼女はその場で直感的に感じたのだろう。自分の書いた稟議書に目を通させるには今渡すしかない。彼女は武内と結託したと思われるのを覚悟で課長に稟議書を提出する。
社会や会社と言った組織の中では実力よりも立場や体面が優先する事があまりにも多い。時には提出した企画書や稟議書が的を得たものであればあるほど嫌われ、排除される事も多い。彼女の稟議書もその例に漏れなかったのかも知れない。「こんなに簡単に自分の稟議書を受け取るなんて…」と感傷的になっている白石に武内は「今凄くぎゅーっとしたいんですけど…」ともう本当にストレートに申し出る。感情的に傷を負った彼女にはそれが大いなる救いになったのかも知れない。二人はその夜を共に過ごし、関係にを持つに至るのだが、しかし白石は独白するのだ。「あの人の好きなようにしてくれていいと思ってた。まだ愛しているのよ…」武内の心情に深く刻み込まれる言葉だったに違いない。「三兎を追う!」と言う武内君の決心はこの時既に揺らいでいたのかも知れない。因に幹子の妹、ななこは相変わらず積極的だ。高校の制服が相手に対するアピールポイントになる事を十分に計算に入れての行動だろうが、制服を見せに会社に来たりする。主催者はこんなにもてた事は無いが羨ましい事だ。
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上記の画像は白泉社殿の御厚意により掲載できました。ここに深く感謝いたします。
Posted: 土
- 12月
18, 2004 at 12:04 午前