二宮ひかる『恋人の条件』第1話
「天国に!連れてってあげよう」
二宮ひかる先生の 2nd
Comic
の表題作品であるこの『恋人の条件』はある意味でこのサイト立ち上げの大きな動機となった作品でそういう意味でも主催者にとっては記念碑的な作品である。この『恋人の条件』は二宮ひかる先生の初の連載作品なのだが、その初連載をお祝いしてお手紙を出した時にお返事のお手紙を頂き、当時ちょこちょこ小説書いていた主催者に「作品を書いていてコンピュータができるならインターネットで発表しては…』と言う趣旨のお言葉を頂いたのがこの『積ん読解消連盟』を立ち上げた最も直接的な理由だからだ。今回はその第1話『好きで好きで』のレビューをお送りする。
この作品の主人公は最近彼女が出来た。人生で初めての彼女である。社内で彼女を狙っていた男性はかなり沢山居たようなので容姿も性格も申し分ない女性なのだろう。勿論主人公の青年はある意味有頂天である。休日の散歩に誘われれば「正にそれがしたかった事に思える」、逢って彼女がジーンズをはいていれば「こんなにジーンズの似合う子はいそうで居ない」。正に「インクのシミもビーナスに見える」(と欧米では恋愛状態の事を言うそうである。日本で言う所の「あばたもえくぼ」)状態だ。そして散歩を終えて彼女を送って帰ろうとした主人公に彼女は声を掛ける。「寄ってく?」勿論主人公の青年はそれに応え、二人は関係を持つに至るのだが、その時の彼女のあまりに積極的な態度に青年はしり込みしてしまう。その後会社で会っても中々上手く話も出来ない。彼女が積極的なのが嫌な訳ではなくその豹変ぶりに困惑しているだけなのだが、何と言っても初めての彼女である。どうしていいか解らない。どんどん気まずくなる中でヒロインの女性は青年をお花見に誘う。そしてその帰りにやはり自分の部屋へ誘うのだが、青年はどう応えてよいか解らない。ヒロインの女性はそれまでも同じような経験を何度もしており、「そっか…、やっぱりか」と諦めかけるのだが、意を決した青年は彼女に悪い所は何処にも無い、自分が訳が判らなくなっているだけで、と必死になって彼女に言い訳をするのだ。かくして彼は(多分)無事彼女の部屋に寄っていく事となる。
日本では積極的な女性と言うのも勿論もてるのだが、「おとなしやかで慎ましい」女性も大いにもてる。ヒロインの女性は多分後者と言う風に見られる容姿、そして物腰なのだろうが、この青年と付き合う前に彼女が関係を持った男性も損をしたものである。冒頭の「天国に!」と言うセリフでこのエピソードは幕を閉じるのだが、エピソードの後をいくらでも想像できるこのセリフで幕を閉じた二宮ひかる先生のセンスの良さに感服した主催者だった。
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上記のイメージ画は白泉社殿のご厚意で掲載できたものです。白泉社殿に深く感謝いたします
Posted: 土
- 10月 16, 2004 at 09:29 午後