田中芳樹原作・垣野内成美『薬師寺涼子の怪奇事件簿』(3)


「彼女に必要なのは、『忠実な子分だけ』です」(きっぱり)

原作を読んだ時にも思ったが、ドラよけお涼を嫁に欲しいなんて人間が泉田君以外に登場するとは夢にも思わなかった。お涼いわく「女性を見る目が高い!ことだけは認めてあげる」だそうだが、お涼自身が言うようにかなり勘違いしている気がししょうがない。田中芳樹原作・垣野内成美先生の『薬師寺涼子の怪奇事件簿』第3巻のレビューをお送りする。今回も垣野内成美先生はスタッフ共々楽しんで描いたらしく、お涼の女王様っぷりを十二分に堪能できる出来である。
前回同様ストーリーは小説のレビュー を参照頂きたいと思うが、今回は田中芳樹先生の原作で行けば『東京ナイトメア』の後半に当たる。ジャクリーンの手引きで「満魔殿(バンデモニウム)」に潜入した後からのアクションがたっぷり入った展開となる。この辺りはアニメーションにしたらさぞかし面白かろうと思うのだが、兎も角小説よりも遥かにアクション的に判りやすいし、小説ではさらりと流してしまう様な場面でも絵になるとこうもインパクトがあるのかと感心する。特に今回笑えたのは泉田警部補が兵藤警視と剣道(使った道具はステッキと警棒だが)でやり合うシーンで、涼子は剣道三段の人間に勝った事が何度もあるのに何故か同じ剣道三段の泉田警部補には勝ったことがない、と言う説明のシーンで、何処から見ても涼子が泉田警部補に"ワザと"負けているのが丸分かりの絵が笑ってしまう。室町警視がお好みの方も今回は彼女のショーダンサー姿が拝見できた訳でそれだけでも一読の価値がある(笑)。
結局の所黒幕の七条大臣をゴルゴンで石にして(この辺はギリシャ神話からの拝借かな…)めでたしめでたしとなるのだが、最後に『摩天楼』同様泉田警部補に我が侭を言って彼を座布団にする辺りは可愛い(?)と言えば可愛いだろう。それこそが泉田警部補が警察を辞めない最大の理由だと個人的には思っているのだが(笑)。

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Posted: 水 - 7月 20, 2005 at 10:30 午後