冬目景『イエスタディをうたって』第6話
「つついてみよっかな」
煮え切らないリクオ、そしてそのリクオの態度に更に拍車をかける煮え切らない榀子の態度。相変わらず積極的なハルのバイト先訪問もあまり功を奏さず、リクオはもんもんとするばかりだ。冬目景先生の『イエスタディをうたって』第6話のレビューをお送りする。
「
ただ…あたしは…、あたしは…まだ…」
榀子のこの言葉と何かを伝えようとするモノ言いたげな表情はリクオを更に混乱させる。単に振られただけならリクオの心の問題も時間と共に風化したかも知れない。しかし多少の時間は経っているとは言え、いつもは毅然とした榀子があの態度では仕方ないともいえるだろう。主宰者が嫁さんに一度振られた後
一年置きに送られてきた年賀状みたいなものである。一方榀子も上京した着た浪のアタック(?)にやはり煮え切らない態度だった。「兄貴以外の奴なんか…認めないからな…」と言う浪の言葉に一瞬戸惑ったような榀子の表情には混迷の色合いが見える。自分の気持ちを計り兼ねるように。またもや偶然バイトの帰り道で榀子と出会ったリクオに告げられた榀子の言葉、
「私は…勝手だけど魚住くん(リクオの事)が友達じゃなくなるのはイヤなの」
榀子自身も言っている事だが全く持って勝手な言葉である。リクオも「努力する」と答えるもののそれが無理な事は百も承知だろう。女性は分からないが男性はどんなに時間が経っても好意を持った女性への思いを「心のひき出し」にしまっておけるもので、しまっている時間が長いほど美化されるから始末に負えない。(そう言えば第5話の第二シリーズから榀子の瞳が優しそうな柔らかいものに絵柄が変わっている。この辺も演出の一貫かも)そんな二人をみるハルもまたどうしていいか解らなかった事だろう。
「つついてみよっかな」
何をどうつつくのかはお楽しみだが、ハル持ち前の行動力は三人の関係を変えられるのだろうか。
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冬目景『イエスタディをうたって』(1)集英社
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Posted: 土
- 9月 17, 2005 at 04:26 午後