冬目景『イエスタディをうたって』第47話
「フリーになるヤツってのは自分の中に表現したい何かがあると思うんだよ」
最近思うのだが、主宰者がクライントのサイト制作を請け負った時と言うのは正直あまり面白くない。当然のようにクライアントの要件があるし、自分ではすこぶる不本意でもお金をもらう訳だからデザインや色彩計画を変えなければならい時もある。自分で書いた文章も下手は下手なりに練り上げた文章を書いて提出してそれを上回る文章が出てくるならいざ知らず、書いた人物が物凄く日本語が不自由なんじゃないかと思うような文章で直せと言われた日には怒るのを通り越して眩暈がしてくる事もしばしばである。とある雑誌で
「デザイナーを目指すなら自分のデザインに直しが入ったら怒るぐらいでないとプロにはなれない」
と書かれているのを見た事があるが、ふむ、自分もデザイナーの端くれになってしまったかと思う事もある。冬目景先生の『イエスタディをうたって』第47話のレビューをお送りする。
今回のエピソードは榀子が登場しなかったものの他のメンバーがそれぞれ自分の未来をどう考えているのかが描かれていて興味深い。ハルはバイト先でオリジナルメニューの創作に性を出し、バイト先の女性オーナーは自分の店を守る事を考え、彼女の友人は美大で大学院に行く事を考えている。リクオはと言えばやはり写真の道に進む事を考えているようで(デジタルではなくフィルムに拘っているようである。最近は日本の最大手富士フィルムでもフィルムの生産は子会社に任せてデジタルに移行している。リクオ君、悪い事は言わないからデジタルにしなさい。ジリ貧になるから)、色々と考えてはいるようであるが踏ん切りがつかないでいるようだ。その時にバイト先の人物に言われたのが
「フリーになるヤツってのは自分の中に表現したい何かがあると思うんだよ」
これは本当の話で、真のクリエイター(世の中にはびこっているえせクリエイターは除く)は「どうしようもなく創ってしまう」人達なのである。酷い時には工程も予算も関係なしに創ってしまうのでプロデュースする側としては始末に負えない。しかし、そうしてでき上がったものが一流だったりするから更に困ってしまう。帰り際に出会ったハルとの会話だとリクオは一応の未来像をそれなりに決めているようである。勿論写真家への道のりなのだろう。登場人物達がそれなりの未来像を描く中、有る意味堂々巡りを繰り返す榀子がどんな風に未来像を描くのか気になる所だ。
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Posted: 木 - 6月 15, 2006 at 09:44 午後