二宮ひかる『おもいで』第2話
「もう、忘れられない」
第1話では少し掴みが良くなかったかなと思ったが、第2話は段々二宮ひかる先生のペースと雰囲気になってきいる。ただ、二宮ひかる先生のこれまでの作品が(例え主人公が悲劇的状況にあったりしても)比較的テンポよくポンポンと話が進んだのに対して、今回の作品は正に「淡々と」と言う言葉がぴったりくる感じがする。二宮ひかる先生の『おもいで』第2話のレビューをお送りする。
「同じ学校に居る事すら気付かなかった…」
ヒロインは自分の兄の生まれ変わりだと主張したあの少年に中学で再会する。と言っても主宰者の個人的な経験で言えば中学校に進学する時には小学校何校からか入学生が集まるから同じクラスにでもならない限り気がつかないだろう。彼の学校での評判はあまり良いものではないらしく(と言ってもちゃんと理由があり、それに尾びれ背びれが付いて勝手に泳いでいるだけなのだが)、それが女子生徒の格好の話題の種となっているらしい。なんだかんだで一緒に帰ることになったヒロインの理緒は心臓の悪い主人公が家に帰る前に休憩する為にラブホテルに誘われる。彼の母親がそこに勤めているからなのだが、彼は理緒の前で発作を起こし、母親を呼ぶように頼む。奇しくも彼女は彼から名乗られることなく彼の名を知ることになる。
「じゃ…あなたの名前は…秋月
亮…」
彼にまつわる悪い噂と言うのは理緒を誘ったホテルに保険の先生と入って行った、と言うものだが、これは上述の様な事情で母親の所に保険の先生が彼を送り届けただけのことだろう。このことで理緒の言葉を借りれば彼にまつわる思い出は名前を持った。日本語では「わかる」と言う言葉を「分る」「判る」「解る」と三種類の漢字でかき分けるが、事知識や思い出等に関してそれが名前を持ったと言うことは正に他の諸々の思い出と「分かれた」と言うことになる。自分の兄だと名乗り、コックリさんと同じ言葉で自分に服を脱ぐよう要求した少年にまつわる諸々の思い出は彼女の中ではっきりとした形を持った。
「もう、忘れられない」
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Posted: 木 - 9月 21, 2006 at 06:20 午後