田中ユタカ『ミミア姫』第2話
「わたくしは…生きのびました」
かつて医療が現代ほどに発達していなかった時代、子どもが成人する確立は現代とは比べ物にならないほどに低かった。日本に古くから伝わるお祝い、お宮参り、お食初め、七五三、裳着、元服(現在の成人式)と呼ばれる儀式の数々はそうした当時の状況を伝えるものだと思っている。だからこそ「子宝」と言う言葉が生まれたのではと最近思うようになった。田中ユタカ先生の『ミミア姫』第2話のレビューをお送りする。
「これは父さま、母さまの…心だ!!」
皆のように力を持たず、病気がちなミミア姫がその苦痛に耐えかねて呟いた言葉、「死にたい」と言う言葉にミミア姫を不憫に思ったのか彼女の両親が流した大粒の涙を見てミミア姫は思う。それがミミア姫の最初の思い出なのだと言う。主催者は子どもの頃アトピー性皮膚炎で冬場はその痒みに転げ回り眠る事も出来ずにいたのだが、そんな時主催者の亡母は主催者のそばにいつも居てくれた。親から受けた恩は大き過ぎて返す事は出来ない。新たな命に対して自分に注がれた両親の愛情と同じ愛情を注ぐ事でしか。小さなミミア姫が触れた両親の心、愛情は彼女の成長に大きな影響を及ぼした。成長したミミア姫は力を持たずとも言葉と文字で心を通わせる事が出来る事に気がつき始める。テレパスが当たり前の世界だからこその発見だとは思うのだが、最近世界は武力や制裁と言う殴り合いでしか相手に相対する事が出来ないでいる。それだけひっ迫した状況だという事かも知れないのだが、考えものである。
「それはミミア様ご自身が、いずれ遠い旅に出られる宿命にあるのを感じ取っておられるのでしょう」
クルスリと呼ばれる老婆の言葉にミミア姫の心が揺れる。自分に課せられた宿命を彼女はその時どの様に受け取った事だろう。しかして彼女は成長して行く。病気に負ける事もなく、力がない事に卑屈になる事もなく。それがどれだけ難しい事かは今現在毎日のようにニュースを賑わす子供たちの惨状を見れば理解できるように思う。しかして彼女は11歳の誕生日を迎える事となる。
「わたくしは…生きのびました」
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Posted: 月 - 1月 15, 2007 at 11:52 午後