橘裕『だって愛だもん』
まあ、前振りって事で(^^;。
最初にお断りしておくが橘裕先生は女性でしかも少女コミックスの作家さんである。本作は「一度青年誌で描いてみたかった」と作注で書いた橘先生が
Young ANIMAL
増刊号で連載した作品で、恐らく訪問者の殆どが男性であると想像されるこのサイトで、女性向けの作品を描く女性作家を紹介する手始めとしてはまあ悪くないかなと思った。因みに詳細はコラムで書くつもりだが、運営者が生まれて初めて読んだ少女マンガの作者が橘裕先生だったと言う事もある。
この作品の主人公、杉島卓也はダメ男である。中学時代にヒロインの香野藤緒から「あたし"いい男"が好きなの」と言われて必死になって男を磨いて(?)せっかくモテモテになったのに、一向に当のヒロインにいい所を見せられない(ほれた弱みか?)。それどころか中学時代に香野宛てに書いたラブレターをネタに苛められると言う悲惨(いや、これも一種の幸せか?)な目にあっている。しかも主人公の卓也は香野藤緒宛てに何度もしたためた恋文のおかげで文才に目覚め、高校になると女子高校生作家として女子高校生向けの極甘ラブロマンスの人気小説を書いていると言う屈折ぶり。その上担当編集が自分の姉で「学校なんてさっさとやめて仕事に専念しなさい」と迫られている。
「いい男ってなんだよ〜」と悩みながら、少なくとも女子高校生といつわって女子高校生向けの小説を描く自分は絶対いい男の範疇にないと思っている卓也。その周りにいかにも男っぽい鹿取と、その妹で卓也の事をストーカーしている頼子まで現れ、卓也はいじけるばかりである。
しかし結局の所、ヒロインの香野は卓也のいい所も良く知っているし、正面切って「好きだ!」と言ってくれるのを待っていた(のかなあ)と言う、まあありふれていると言えばありふれているラストだったのだが、女性の側からすると「きちんと好きっていって欲しい」と言うのは実際あるようである。ラブレターなんか書くんじゃなくて、正面切って相手の目を見て「好きだ!」といえる男性もそう多くないと思う。大概は何となく雰囲気で言ってしまうとか、お酒の力を借りないと言えないとか、そう言う所があるのである。勿論女性の側もいい雰囲気で言って欲しい、と言う所はあるのだが、でもやはりはっきり「すきだ!」といって欲しい訳だ。そう言えば昔何かの授業でデートの際に星がきれいだとか月がきれいだとかそういう言葉で間接的に「あなたはきれいだ」と下手に言うと「あたしはきれいじゃない訳?」と内心思われると言う話も聞いた事がある。男性諸君、好きな女性には心して告白されよ。
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橘裕『だって愛だもん』白泉社ジェッツコミックス
上記の Comics
書影は白泉社様のご厚意で掲載させていただいています。白泉社様に深く感謝いたします。
Posted: 金 - 12月
5, 2003 at 02:47 午後