二宮ひかる『恋人の条件』第2話


「こんな風に始まる。始まってしまう」

ショールーム課、と言うのは多分受付嬢と同じくらいに会社の顔になる部門だと思う。実際、昔仕事で Panasonic や Sony のショールームを見学させてもらった時には中々に目の保養をさせてもらった覚えがある。二宮ひかる『恋人の条件』第2話『くらっと』のレビューをお送りする。
ビジネスソフトの開発一筋に打ち込んできたソフト開発部門の主人公の所にある日データ入力のサポートにショールーム課の若い女性が助っ人としてやってくる。彼女ははなから主人公の男性にしか興味がなく、「皆に紹介を」と言う主人公に向かって、「関係があるのは貴方だけだから必要ありません」と切って捨てる。主人公とデータ入力を行う作業中にこのヒロインの女性は様々な形でアプローチを掛けてくるのだが、主人公は妻子持ちと言う事からそのアプローチを排除しようとするのだが、ヒロインの女性もめげない。そんな押し問答の様な日々が続く中でトラブルが発生する。ヒロインの女性が誤ってデータを消去してしまうのだ。主人公の男性は開発者ゆえの裏技でこのトラブルを回避するのだが、ヒロインの女性も冷静にデータのバックアップをとったりと主人公のサポートを見事にこなす。その姿を「かっこいい」と評される女性はそれまで以上の好意を持つに至り、それに主人公は「くらっと」してしまうのだ。
第1話同様、二人の関係が「こんな風に始まる。始まってしまう」と言う言葉でこのエピソードの幕を下ろした二宮ひかる先生のセンスには脱帽だ。この先二人がどうなるのかいくらでも予想が出来てしまうし、第1話同様に二宮ひかる先生特有の長い長い読後感を残す秀作に仕上がっている。この作品は初連載である『恋人の条件』の中で主催者が最も高く評価している作品なのだが、恐らく第1話、第3話の方が人気があるだろう。しかし、"裸率ゼロ"でここまでの作品を作り上げた二宮ひかる先生のセンスが光る作品だと思う。

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上記のイメージ画は白泉社殿のご厚意で掲載できたものです。白泉社殿に深く感謝いたします

Posted: 土 - 10月 23, 2004 at 09:38 午後