田中芳樹・垣野内成美『薬師寺涼子の怪奇事件簿』第1巻
田中芳樹先生の原作は既に取り上げた『薬師寺涼子の怪奇事件簿』ですが、今回取り上げるのは垣野内成美先生の手によるコミックス版です。
「正義とはあたしが勝つ事」「警察権力は自分の為にある」と公言してはばからない完全無欠の美人警視薬師寺涼子が壮絶な迷惑を振りまきながら大活躍(?)する『薬師寺涼子の怪奇事件簿』だが、法事の際に空港でコミックス版を購入したので、「ここの所同じ作品しかレビューしてないなあ」と言う気持ちもあり、早速レビューしようと思う。
ストーリーについては
小説の方
のレビュー
を読んで頂くとして、小説とコミックスの印象の違いについてレビューしようと思う。当然の事だが、小説の挿し絵も垣野内成美先生が書いている関係上視覚的な違和感は全く無く、作品世界には「す〜っと」入っていく事が出来る。ストーリーも基本的には同じで今回の第1巻は小説の『摩天楼』に当たり、内容的にも多少のひねりは有るもののほぼ同じである。が、一番の違いは「女性が女王様を描いている」と言う部分で、涼子の女王様っぷりの炸裂が笑える。小説の方では勿論文章で読む訳なのでビジュアル的には想像するしかない訳だが、コミックスでは兎も角表情からアングルから「薬師寺涼子が絶世の美人でなかったら間違いなく張り倒している」その態度のでかさと周りで振り回されている男性軍の慌てっぷりが腹をかかえて笑える仕上がりとなっている。ついでに言えば「レオコン(レオタード・コンプレックス)岸本」が小説よりも小太りでオタクっぽく描いてあるのが笑えるし、泉田警部補が彼女と別れた理由を問い詰められるシーンなど、そのしどろもどろした表情が見ていて非常に面白い。田中芳樹先生の文体もいいが、垣野内成美先生のコミックスも独特のテンポ感が有り、そのスピード感は中々に爽快である。
今回は第1巻と言う事で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』のシリーズはまだまだコミックス化が進みそうで結構楽しみなシリーズになりそう。個人的には垣野内成美先生は月間アフタヌーンで掲載された『午後三時の魔法』がお気に入りでいつ取り上げようかとチャンスを狙っているのだが、あの作品は思い入れが強いのでまた一話づつのレビューになって自分の首を絞めそうなので、躊躇している。早いところ元のレビューのテンポに戻したいところである。
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Posted: 月 - 12月
6, 2004 at 11:41 午後