高橋しん『いいひと。』第一巻
一世を風靡した高橋しん先生の代表作、『いいひと。』第一巻です。
一番の犠牲者は大手スポーツメーカ"ライテックス"の人事部長である。毎回面接に遅刻してくる主人公の北野優二が何故面接に通ったかと言えば、ひとえに人事部長の周りが北野優二に巻き込まれたからだ。高橋しん先生の『いいひと。』第一巻のレビューをお送りする。
『いいひと。』は高橋しん先生の代表作として恐らく知らないひとはいないと思われるのだが、個人的にこの作品はある人たちにとっては再評価が必要な作品だと思う。と言うのはテレビ放映されたドラマ『いいひと。』があまりにも原作とかけ離れた物になってしまったからだ。ドラマを作る側としては仕方のない選択だったかも知れないが、原作の『いいひと。』を知る人たち(運営者も含めて)にとってあのドラマは許せないものだったし、あのドラマだけを見て『いいひと。』を評価している人がいるとしたら(いや、居ると思う)絶対に再評価が必要だと思うのである。
『いいひと。』のコンセプトは北野優二と言う人間が居て(社会人としてはかなり非常識な事を言ったりやったりするのだが、人間的に考えれば極めてまともな人間)、現代の歪んだ日本のサラリーマン社会にあってそれにドップリ漬かっている人たちの心に色々な物を残して行く、そして関わった人たちの何かが変わって行くと言うもの。その北野優二がスポーツメーカー"ライテックス"に入社時のエピソードが詰まっているのが第一巻である。
兎も角無茶苦茶である。北野優二は題名の通り背中に『いいひと。』ののぼりを立てて歩いている様な人間で、困っている人を見るとつい(?)助けてしまう。それが積もり積もって会社の面接に遅刻するのだが、その助けた人たちが皆人事部長の家族や部下だったりする訳である。ゆーじ(北野優二)はその度に不採用になりそうになるのだが、その助けた人たちが口添えしてくれて面接をパスして行ってしまう。そしてついにゆーじは憧れのライテックスに採用される。しかし新人研修にも遅刻してしまうゆーじだった(爆)。
第一巻では前述のコンセプトがまだ完成しておらず、その完成を見るのはゆーじが正式に配属される第二巻以降になるのだが、ゆーじのあまりのいいひとぶりが笑える一冊である。一度読んだ事がある方もそうでない方も御一読をお勧めする。
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Posted: 水 - 12月
17, 2003 at 05:19 午後