二宮ひかる『いつわりの恋』前編
「偽装結婚よ」
憎からず思ってはいるけれど、一線を踏み越える事のなかった女友達。そんな彼女から急に「結婚しようよ、あたし達」と言われたら、あなたならどうするだろう。二宮ひかる先生の『いつわりの恋』前編のレビューをお送りする。この『いつわりの恋』は本来コミックス『最低!』に収められた作品であり、これまでは『最低!!』と併せてレビューしていたのだが、二宮ひかる先生の
4th Comics
である『ふたりで朝まで』の表題作がこの『いつわりの恋』の続編となっているため、試みにこれらを併せてレビューしてみる事にした。二宮ひかる先生の常設コーナーでも新たにページをおこす必要があるが、話としては解りやすくなると思う。
「ねぇ、真太郎、結婚しようよ、あたし達」と言うヒロイン、会田真潮の言葉は主人公の石和真太郎にとって少なからず驚きを伴っていただろう。何故なら二人のこれまでの関係は決して色っぽいものではなかったからだ。結婚の理由は真潮が勝手に応募した「1年以内に挙式のカップル1組をモルディブ8日間の旅にご招待」と言う、まあ新婚旅行を懸賞に当選したからなのだが、真潮はこの懸賞を無駄にしないために結婚しようと言うのだ。結婚すればモルディブ8日間の旅、中々取れない有給休暇も冠婚葬祭の関係ならどうどうと取る事が出来る。しかも帰ってきた暁には成田離婚をしてしまえば全てはちゃらに出来る、と言うのがヒロイン真潮の理屈である。「偽装結婚よ」と真潮は言ってのける。結局真太郎は真潮に引きずられるようにモルディブへの旅へと向かう事になる。奇麗な海と空、美味しいフルーツ、タダで止まれるスイート。そして憎からず思っている真潮の水着姿に最初は満足げだった真太郎は気がつく事になる。「もしかしてこの旅はモノスゴクつらい旅ではないのか?」
憎からず思っている女性とのムード一杯の南の島、二人っきりのスイート。しかし決して手を出す事は許されない。蛇の生殺しである。主宰者はこの旅自体が、一向に進展しない二人の仲に業を煮やした真潮がいたずらを装ったモーションなのではないかと思っている。その理由は後編の方に回すとして、真潮、真太郎と言う二人のキャラクターは二宮ひかる先生の作品の中で主宰者が中期に分類する作品の中で登場するキャラクターの中でもぴか一であり、主宰者も主宰者の嫁さんもお気に入りのキャラクターである。この前後編の『いつわりの恋』は中期作品の中で最高傑作だと思うのだが、皆さんの評価は如何だろうか。
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上記の画像は白泉社殿の御厚意により掲載できました。ここに深く感謝いたします。
Posted: 日 - 2月 20, 2005 at 12:34 午前