二宮ひかる『ふたりで朝まで』第1話


「離婚した夫婦は!!そう簡単に会うもんじゃねェの!!」

そう、離婚した夫婦が会うときというのは大概賠償金絡みか子供の関係かと相場が決まっている。おまけに主人公の慎太郎は事実上自分の部屋が仕事場だから、女性を迎え入れるようにはおそらくなっていない。そこへ「あたしたち、ちゃんとリコンしようねえ?」と言ったはずの真潮が突然現れたのだからそりゃ焦るだろう。二宮ひかる先生の『ふたりで朝まで』第一話のレビューをお送りする。ご存知の向きも多いと思うが、本作は『最低!!』に収録された『いつわりの恋』の続編に当たる作品である。
「家出てきちゃったの。しばらくここに置いて?」とまるで何事もなかったように登場したヒロインの真潮に主人公の慎太郎が浴びせた言葉が前述の言葉であるが、そんなものは真潮は気にする様子もない。部屋の隅に陣取り「ここがあたしの秘密基地だーっ」(秘密基地という言葉にワクワクするのは男の子だけかと思ったら二宮ひかる先生もそうらしい(^^;)と完全に居座る勢いである。しかもである。前作の最後であんなにしみじみと「あたしたち、ちゃんとリコンしようねえ?」と言っていたのはどこへやら。仕事を口実に離婚届を提出していないというのである。つまり二人は法律上は立派な夫婦であり、この辺り主催者はかなり確信犯的な感じがするが、これは人それぞれかもしれない。兎も角前の晩寝ていないとベッドを占拠する真潮に「オレのベッドだ!!」と主張するのだが、その言葉に対して真潮は言う。「いっしょに寝ようよ慎太郎。あたしたち夫婦なんだから」
これを契機に二人の新婚生活とも同居とも取れる二人の生活がスタートする。『いつわりの恋』はそのレビューでも書いた通り、二宮ひかる先生の中期作品中最も主催者が高く評価する作品だが、前後編の作品が次のコミックスの表題作として登場する、と言う事は評判も上々だったのだろうと推察する。兎も角この二人、二宮ひかる先生自身がコントロールできない状態に陥るはちゃめちゃぶりなのだが、何故だか強く感情移入できるから不思議だ。

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上記の画像は白泉社殿の御厚意により掲載できました。ここに深く感謝いたします。

Posted: 月 - 3月 7, 2005 at 12:56 午前