入江紀子『のら』第一巻


この奔放さには憧れるものがありましたね(^^)。

この作品を読むと、こんな自由な人間は多分(少なくとも日本には)居ないだろうし、見た事も聞いた事もないと思う。入江先生の『のら』第一巻のレビューを御届けする。
この作品は主人公の"のら"と言う少女(多分16〜18歳位か)がとても印象的に描かれているのに全然つかみ所が無いのが不思議な気がしてくる。"のら"は自称「居候のプロ」で、様々な人の家を渡り歩くのだが、"のら"が関わる人たちになにがしかの感情を残しては去っていく。主人公よりも周りのキャラクターたちが主人公と関わる事で何かを得ていくと言うコンセプトは高橋しん先生の『いいひと。』に通じるものがあるかも知れない。この作品を読むと自分の所にもふらりとこの"のら"が来るのではなかろうか、と言う不思議な感情にとらわれる。(因にそのふらりとやって来そうな所が嫌いだと言うのは嫁さんの弁)
第一巻では芥地理賞作家とその学友のエピソードを描いた『赤い髪の男』、幼稚園生のカップルを描いた『とおるとみちる』、髪の毛の色が気になる親子のエピソードが描かれた『ままのばか』、そして珍しく"のら"本人のエピソードが描かれる『特別』など秀作が揃っており、また、「無理に近づくと逃げるよ、のらだからね」と言った意味深なセリフがそこかしこにちりばめられており、ああ、日本の人間と言うのはなんて不自由なんだろうと思わせる作品である。
この作品自体も竹書房シンバッド → 竹書房コミッククラブ → 竹書房コミックガンマ → 小学館スピリッツ21 と渡り歩き、主人公さながらのフーテンぶりを発揮した作品だが、最終的にはアスキー出版から出たコミックスが最終版だと思う。日ごろの生活に何がしかの息苦しさを感じる方もそうでない方も是非一読をお勧めしたい作品である。

No previous | Next

Amazon.co.jp からの書籍のご購入は下記 Link からどうぞ !!



入江紀子『のら』第一巻 バンブーコミックス

上記の画像は Amazon.co.jp アソシエイトプログラムの許諾の下に掲載して言います。

Posted: 金 - 9月 12, 2003 at 11:11 午後