奥友志津子『パーフェクション』第2話
今回は4人のパーフェクションの内の3人目、ケインの登場です。彼はその明晰な頭脳でとある惑星の裏社会を牛耳るのですが…。
フランは理解した。敏腕で慣らした彼女が何故、行方不明者の捜索、そして遺伝子的に危険人物とはいえ、政治的軍事的に重要とも思えないエースの監視役になったかを。奥友志津子先生の『パーフェクション』第2話のレビューをお送りする。
感情を持たない氷の女と評されているフラン。軍上層部は彼女なら4人のパーフェクション達に特別な感情を持つ事は無いだろうと判断したのだ。しかしそれは大きな誤算だった。フランは4人のパーフェクションの生みの親であるエメラダ博士に告白する。自分でも不可解なほどに自分の感情をコントロールできないのだと。エメラダ博士はエースを含む4人のパーフェクション達は独自のシンパシーを持っており、第1話でベスが死亡した際にエースが受けた精神的な傷は計り知れない事を話し、これ以上彼らの命を奪わないで欲しいとフランに頼むのだった。今回行方が判ったのケインはとある惑星の裏社会で一人の男のブレーンとしてちょっとした有名人になっていた。早速捜索に向かったフランとエースだったが、フランはケインのグループに、エースはケインと敵対するグループに捕らわれてしまう。ケインはフランの前で語る。自分たちの遺伝子に危険な因子が含まれている事が解ってから自分たちはピンで留められた蝶のようだったと。それは絶えられない苦痛だったと。そしてケインはフランがエースに対して特別な感情を持っている事を承知の上で乱暴を働こうとするのだが、そこへ脱出してきたエースが登場する。しかしそれはケインの芝居だったのだ。
ケインは絶望していた。人を愛する事も幸福にする事も出来ない自分と自分の運命とに。そしてせめてその人生を一緒に生まれたエースに終わらせて欲しかったのだ。疲労困ぱいするエースを見てフランは強く思う。「こんなものが運命だなんて信じないと」才能だけではない。人と関わる事さえも禁じられたパーフェクション達の姿はその美しい容姿、優れた才能ゆえに悲壮感が大きい。4人のパーフェクション達の悩みはこの作品が少女コミックスであるせいか才能を発揮できない事よりも恋愛を禁じられている事に重きを置いているが、人のぬくもりに飢えた心とその姿は現代の希薄な人間関係に苦しむ人たちの姿が主催者には重なって見える。
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Posted: 火 - 12月
28, 2004 at 12:16 午前