冬目景『僕らの変拍子』
冬目先生の処女コミックスです。
今回紹介する『僕らの変拍子』は『羊のうた』『イエスタディを歌って』等で活躍中の冬目先生の商業誌におけるデビューコミックスである。初期作品には作家のエッセンスが詰まっていると良く言われるが、この短編集もまた冬目先生のエッセンスが詰まった一冊である。
表題作『僕らの変拍子』は手の怪我から音楽(ピアノ)の道を諦めていた主人公の少年が、一風変わった麻薬常習犯の少女との関わりから自分の道をもう一度見つめると言うストーリー。主人公は自由を愛し、「メキシコにでも行きたい」と言うその少女と麻薬が出回っている事を嗅ぎつけた警察から逃げる為に駆け落ちを計画するが、少女は約束の場所に現れなかった。少女を思い、「こんな狭い日本なんか飛び出して、明るい太陽の下で幸せで居るのかも知れない」等と言う事を考えながら主人公の少年はもう一度音楽の道を歩き始める。
この他にデビュー作『こんな感じ』、商業誌初掲載となった『六畳劇場』他全7作品を収めたこの作品集は前述の通り冬目先生のエッセンスで溢れている
が、個人的には昔の彼女に愛用の自転車のホイールをプレゼントする主人公の心情を描く『銀色自転車』が気に入っている。冬目先生がお気に入りでまだお読みになっていない訪問者の方には是非一読をお勧める。
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Posted: 日 - 9月 14, 2003 at 11:13 午後