新海誠監督の世界('03.05.24)
新海誠監督の作品と言えば、何故か青い空の印象が強い。『ほしのこえ』にしても現在製作中の『雲の向こう、約束の場所』にしても美しい青い空がとても印象的に描かれている。そこでイメージ画に空の絵を使って見た。本当は秋晴れの時の天の高い空の絵が使いたかったのだが、手持ちの素材集に手ごろなものがなく、この様なイメージになってしまった次第である。ところで小生が小生新海誠監督の存在を知ったのはつい数カ月前の事である。角川書店出版の月刊 Newtype に付録として付いてきた DVD に『雲の向こう、約束の場所』のパイロット映像が収録されていた。最初は大して気にしなかったのだが、そのタイトルが気になって見て見ると、その素晴らしい世界観、映像のクオリティー、そして世界観にマッチした音楽。何よりこれが個人の作品である事に深い感銘を受けた。日本にもついにこれだけのメッセージを発信出来る人が現れたのか、と言うのが正直な感想だった。本当ならタイミング的に『ほしのこえ』の上映時に特集が組めれば一番タイムリーだったのだろうけれど、最初に観たのが『雲の向こう、約束の場所』のパイロット映像だったのだからしょうがない。ともかく大変なインパクトを受けたのは事実で、遅ればせながら、新海監督の作品の Review を掲載する事にした。
〜 個人の表現とアニメーションの関係 〜もう大分古い作品になってしまったが、フレデレリックバックの『木を植えた男』と言う作品をご存知だろうか。フランス高原地帯の砂漠を一人で緑の大地に変えた農夫の物語である。多少キリスト教の影響を受けている感は否めないが、始めて見た時非常に感動し、家にビデオもないのにビデオを買ってしまったと言う経験がある。どうして新海監督の作品の Review 記事にフレデリックバックの作品が登場するかと言えば、彼の作品も殆ど一人で作成された作品であり、故に日本の多くのアニメーションのように資金提供元の意向を受けず、世界中に素晴らしいメッセージを発信出来ていると言う事が言いたかったのである。そして、新海監督の作品はそれと同じだけのメッセージ性と、クオリティーの高さを持っており、しかも、日本のアニメーションのあらゆるしがらみから開放された作品作りが可能になるのではないか、そう思わせる何かがあるのである。もちろん、フレデリックバックの作品と比べれば新海監督の作品には未完成の部分も多いが、それゆえに今後の作品のクオリティーアップに大いに期待が持てると思うのである。そして、これは日本アニメーションが抱える閉塞感を打ち破る一つのきっかけになるのではないかと大いに期待する所である。
上記 のDVD のインデックスの画像は Amazon.co.jp アソシエイトプログラムの許諾の下に掲載しています。
新海誠監督作品『ほしのこえ』
『ほしのこえ』は新海誠監督の出世作と言って良いと思う。徳間書店発行のDVD Book を見ると、公開当時の加熱ぶりが伺える。はっきり言って、次回作が映画館で見られるか疑問に思えてくる。さて、『ほしのこえ』である。先ず、その斬新な切り口に驚かされる。それは現在の若者に必須のアイテムとなった携帯メールである。現在携帯メールで人間関係を構築している人は少なくないと思われるのだが、この作中の人物は携帯メールでしか自分の会いたい人とのコミュニケーションをはかる事が出来ない。しかも、その距離はどんどん放れて行き、最後には数年のタイムラグを必要とするようになる。そして「わたしはここにいる」という主人公達の悲痛な叫び。現代の切り離された人間関係を象徴しているようで悲しかった。作品のクオリティーに関しては突っ込む所は色々あるけれど、それ以上に視聴者に伝わるメッセージが勝っている作品であり、充分に成功作品と言って良いと思う。
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『ほしのこえ』
ANIMEAGE LIBRARY BOOK VOL.1 ISNB4-19-861554-3 2002年9月30日初版発行 Copyright(C) Makoto Shinkai / CoMix Wave ご購入はこちらから!!
『雲のむこう、約束の場所』パイロット版そして最新作の『雲の向こう、約束の場所』である。現在パイロット版がインターネット上で公開されているがそのクオリティーの高さは半端ではない。前作の『ほしのこえ』と比較しても格段にクオリティーの向上が見られる。そしてそのパイロット映像の構成の上手さ! そして天門氏の音楽も素晴らしくマッチしており、これまでにない切り口が見え隠れする。ともかく理屈抜きで一度ご覧になる事をお勧めする。色々な物語の王道を取り入れつつ、そこに新しい視点がふんだんに取り入れられているのにも好感が持てる。作品本編は2003年中の公開予定だそうであるが、これだけの作品を少人数のスタッフで作り上げるのは容易な事ではないだろう。もしかしたら公開時期が遅れる事もありうると思うが、その時には気長に待つ事にしようと思っている。尚、『雲の向こう、約束の場所』の最新情報は下の Link から入手出来る
上記の『雲のむこう、約束の場所』パイロット版の画像は本サイトの主宰者が個人的責任において掲載しています。
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